「地の犬」

さて、前のページの説明だけでは厳密すぎる定義になってしまいます。
前ページに挙げた7犬種以外にも、ある特定の地方で古くから人と一緒に過ごしてきた
犬たち
がいます。
こうした犬を「地の犬」「地犬」とよびます。
日本犬の原種的存在、または地方種として、広く認識されている犬たちです。
主だったところでは、

 ・樺太犬 (北海道北部・樺太島のそり・狩猟犬)
 ・津軽犬 (青森県津軽地方中心に生息した中型犬)
 ・岩手犬 (岩手県と秋田県の県境、奥羽山系の山間部落の熊猟犬/岩手マタギ犬)
 ・高安犬 (山形県東置賜郡高畑町(高安地方)で熊猟犬として活躍していた中型犬)
 ・会津犬
 ・十石犬 (群馬県多野郡上野村と長野県南佐久郡佐久町の県境にある十石峠付近)
 ・川上犬 (長野県南佐久郡川上村/長野県の天然記念物)
 ・天城犬 (静岡県中伊豆)
 ・石州犬 (島根県益田市を中心とする山村/山陰柴犬の原種)
 ・阿波犬 (徳島/ウザキと呼ばれていた犬?)
 ・薩摩犬 (鹿児島県)
 ・屋久島犬 (鹿児島・屋久島/猪猟犬)
 ・琉球犬 (沖縄本島北部の山原地方と石垣島/沖縄県の天然記念物)
 ・南大東島犬 (沖縄・南大東島/日本犬・縄文犬の原種色を強くとどめる)

といった犬種です。
#詳細は犬種紹介・日本犬の紀元のページを見てください。
日本全国各地に居そうな雰囲気になってしまいますが(^^;
それだけ犬という動物が、古くから日本人に広く飼われてきたこと、
昔の日本が往来が不便で地方で独自の文化、環境として継承され続けてきたことの
裏返しでしょう。

日本犬は島国と言う環境の中で、何万年も過ごして純粋性を保った地の犬です。
先に挙げた7犬種は、その中から標準体型の基準に適したものに血統書を与え、
その両親から産まれた仔を純粋犬種としたものです。
言いかえれば日本犬は地の犬から固定された純粋犬種になります。

石州犬は山陰柴と呼ばれる柴犬のルーツ的存在になっていますし、十石犬、川上犬も
信州柴の原種的な位置づけになります。

中には現在も飼育・保存されている犬種もありますが、絶滅してしまった犬種もあります。

  

   

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