犬の先祖

 犬の種類は現在世界公認種で150種、広く一般に認識されている種としては、およそ600種近くと言われています。
これらの犬たちの先祖はオオカミであることが、最近の研究によってほぼ確定になったそうです。

  1990年頃までは、種としては狼に近い肉食獣のジャッカルとかコヨーテとかも考えられていましたが、最近のDNA研究の成果からオオカミのみがその祖先たり得ることが判明しました。
 アラビアを中心にイランからケニアにかけて生息していた小型のインドオオカミ、アラビアオオカミが、
2〜3万年くらい前に人間に飼われ始め、イヌという種が誕生したと考えられてます。
 2万年ほど前のイヌの骨が発見されているので、少なくともそれ以前には家畜化された、ということですね。

アラビアオオカミ インドオオカミ


 家畜化されると自ら移動することはありませんから、人間とともに移動し、各地のオオカミと
かけ合さって(自然交配もあるでしょうが)、種が分化していったと考えられています。
 DNA調査でも、ヨーロッパにいる犬はヨーロッパの狼の、日本犬などアジアの犬はアジアの
狼の遺伝子が混じっていること判明しています。
 人の移動とともに混血し、さらにその地の環境に適応することによって、さまざまな犬種ができたわけです。。


人間が狼を飼い始めた理由

 では、数ある動物の中で、人間はなぜ狼を飼うようになったのでしょう。
狼は体があまり大きくなく、大型の猛獣からねらわれやすい動物ですから、襲われないよう、
安全な場所を求めていました。
既に石器時代の人間になると、使い集団で行動するので、大型の猛獣も昼は恐れて襲いませんでした。従って、人間の住む場所の近くは、オオカミにとって「安全な場所」だったのです。
 そういう中で、オオカミは雑食性が比較的高い肉食動物ですから、夜になると、人間の残した骨、内臓などの残り物をあさるようになったと思われます。
 最初は、人間もオオカミを追い払うなどしていたでしょうが、夜に野獣の襲撃があると狼が吠えるので、警戒用に役立つことが分りました。
 いつしか、比較的従順な個体をそばに置き始めたり、親と死に別れた狼の仔を巣から持ち帰って、飼育するようになったようです。
 そのうちに狼の優れた嗅覚や聴覚、足の速さといった特徴を、人間が気付き、狩猟の助手として活用するようになったと考えられます。

その後、人間の生活形態が変化するにつれ、相互の関わり合い方も多様になり、また関わりが深まる中で、狼は「イヌ」化していったものと思われます。

牧畜を始めた人間には、ヒツジやウシなどの家畜の群れをコントロールする牧畜犬として、利用されるようになりました。
一方、農耕を始めた人間にとっては、イヌの用途は番犬だけ(穀物荒しの害獣駆除用にも使われました)になり、あまり重要な役割を果たさなくなりました。
その代りに、一部の地域では食用としても用いられるようにもなったのです。

そして近代では、軍用犬や警察犬、麻薬探知犬などへの用途も広がり、現代では家庭犬としての存在価値が増大しています。
 特に1950年代以降、先進諸国においてはペット、最近ではコンパニオンアニマル(伴侶動物)と呼ばれていますが、この役割がより重要視されてきています。

  

  

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